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Old Boys’Dreams 楽曲解説

1. Portrait Of Undercurrent  (Shiego Fukuda)

ピアノとギターのDUOと言えば、先ずボクが思い浮かぶのは、ビル・エヴァンスとジム・ホールの名盤 ”Undercurrent” です。布ちゃんとDUOアルバム第2弾を作ろう、と決まって真っ先に書いたのがこの曲でした。JAZZレジェンドお二人へのオマージュ的な作品。7年前にある仕事のために小ツアーをしたのがきっかけで始まった布川俊樹(g)&福田重男(p)DUOですが、僕らのアルバム制作やツアーだけに留まらず、他のミュージシャンのアルバム制作やLIVEのサポートも随分として来ました。それもこれも、盟友、布川俊樹あってのこと。布ちゃんへの感謝を込めた曲でもあります。-by 福田


2. One Phrase Blues (Shigeo Fukuda)

アントニオ・カルロスジョビンのおなじみの曲に ”One Note Sumba” がありますが、同じフレーズを繰り返すことで曲が成り立っているので、1フレーズ、そして12小節を1コーラスとするブルース仕立てになっていることから、1フレーズのブルース= ”One Phrase Blues” と名付けました。当初は冗談のつもりでしたが、正式なタイトルになってしまいました(笑)-by 福田


3. Old Boys’ Dreams (Toshiki Nunokawa)

福田重男氏は今年の5月8日、還暦を迎えた。いつもお世話になっている東京のジャズの隠れ家、代官山レザールでは盛大なバースデイライブパーティーが行われた。沢山のミュージシャンやファンの人で店は超満杯。我が盟友の人間力を感じさせる素晴らしい宴となった。僕は来年還暦、でもここからですよ、我々は(笑)。
今回のアルバムを作ろうって話を始めたとき、福田氏は「フュージョンやろう」って言ってた。僕はちょっとビックリだったんだけど、それならバンドでって話になった。で、2人とも若かりし頃に多大な影響を受けたウェザー・リポートみたいな曲を作ってみようと思ってできた曲。スペーシーでアンビエントミュージックみたいなパートで始まり、最後はエレベとシンセでの4ビートスイングの異なるパートで大団円。
僕なりのジョー・ザヴィヌル氏に対するオマージュだ。そして、タイトルはもちろん前作からの夢シリーズ第2弾である。まだまだ枯れない Old Boys なのだ!-by 布川


4. Swingin’ In Green Heaven  (Toshiki Nunokawa)

これは、日本ジャズ界きっての洒落男(笑)、福田重男に捧げた曲。車、酒、ゴルフ、海軍を愛し、江戸人じゃないけど何となくべらんめいな感じ、また古き良き(?)先輩方のジャズマン気質(かたぎ)も端々に感じられるそんな粋な男だ。この曲は、彼がよく使うコードサウンドを使って、ブラジルっぽいムードの洒落ていて、暑いけれど涼しげみたいなサウンドにしたかったんだよね。
昨年のツアーで新曲として演奏したときは ”Rio” って仮題にしてた(オリンピックでしたから…笑)。サビはVALISっぽいかなあ…。
曲のタイトルにある Green Heaven はもちろんゴルフのグリーン。
彼は鍵盤の上で、グリーン上で、酒の宴席で(笑)、常にゴキゲンにスイングしているのである。-by 布川


5. Spring17 (Shigeo Fukuda)

今年は、年明けからこのアルバムをレコーディングした3月の初めまで、何かと忙しくしていましたが、中でも布川俊樹プロデュースによるウルトラマンJAZZシリーズの第4弾「ボーカル&ピアノ」のレコーディングが2月の後半にあり、本作の準備と重なり多忙な毎日でした。
まさにそのレコーディング当日2月24日に、ボクのJAZZピアノの師匠である辛島文雄さんが他界されました。
一月後半にご自宅にお見舞いに伺った折には思いの外お元気そうにしていらしたのに…(涙)。そして本作のレコーディング前日の3月5日の深夜、辛島さんのお通夜から帰って来て、独り言のように、即興的に出来たのがこの曲です。
とにかくピアノも生き様もアグレッシブで、バイタリティの塊のような辛島さんでしたが、ボクの中の辛島さんは、とても優しくてロマンティックだったようです。-by 福田


6. Just Be Happy My Love  (Shigeo Fukuda)この曲は2004年に結成して以来6枚のアルバムを残して来たTRIO’:市原康(d)、森泰人(b)、福田重男(p)の2枚目 「Love Is Here To Stay」(2005)のために書き下ろしたものですが、福田重男トリオでもよくやっているナンバーです。 奥平真吾(d)のスイングするドラミングをフューチャーしたくて入れました。このアルバムでは唯一のswing4ビートものです(ベース&ドラムの入った編成)。-by 福田


7. Willows Bending In The Wind  (Toshiki Nunokawa)

2016年秋のボブ・ディラン、ノーベル文学賞入賞とそれへの彼の反応はおもしろかったなあ…。ディランの音楽の大ファンとはまったくいえないけど、たまに聴くとその存在感と表現の強さに痺れる。もちろんこの曲のタイトルは彼の大ヒット曲をもじったものです。サウンド的にはちょっとだけそういう気分でフォークロックっぽい感じかな。
歳食ってくると三つ子の魂百までっていうのが身に沁みて来る。ホントに音楽に入れこみ始めた中1の頃に好きだったサウンドはやっぱり現在でも好き。もちろん、それをただそのまま中1のマインドでやるわけではなく、長い音楽生活でより昇華されたサウンドになってると思う。-by 布川


8. Joy Spring  (Clifford Brown)

ハードバップトランペッターのリジェンド、クリフォード・ブラウン1954年の作品だから、盟友コンビが生まれるちょっと前の名曲。リズミックでメロディーの跳躍が大きく転調も多いまさにバップっという感じの曲で、演奏は結構難しい。でもとてもメロディックな曲です。
レコーディングの2日目の夜、かなりリラックスした感じのセッションになった。2人のインタープレイをお楽しみくださいね。-by 布川


9.  Feitio De Oração (Noel Rosa)

ブラジル音楽〜ボサノバと言うと、アントニオ・カルロス・ジョビンが創始者のように思われがちですが、実はそのずうっと昔にブラジルにはノエル・ホーザ(1910-1937)という夭折した天才的な詩人/作曲家がいたのです。彼の正に心洗われるようなこの曲を最後にお聴きください。-by 福田

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