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Childhood’s Dream 楽曲解説

1.Hope In The Cave (Toshiki Nunokawa)

昨年暮れ数日時間が空いたときに、今回のアルバムのための曲はすべて書き下ろした。 これは最初に書いた曲。
人間の不屈の精神力に驚嘆したチリ炭坑事故。彼等を見習って停滞 した日本も元気出そうぜ!みたいな気持ちでとにかく明るいサウンドにした。 作ったときは、 もちろん大震災のことなど想像だにしなかったが、 この曲を聴いて頂ける方々が少しでも元気になってくれれば作者としては存外の喜びだ。
曲の構成やサウンドは嘗て僕がやっていたVALIS的なもの。敢えてそれをデュオで。-by 布川


2.Bitter Sweet (Shigeo Fukuda)

この曲は2003年ニューヨークでレコーディングした、祐生薫(vo)君のデビューアルバムのタイトルにもなった曲です。その時は歌詞付きのボサ~ライト・サンバで演奏しましたが、今回はスロー・ボサで 哀愁~人生の儚さ(笑)をより表出した演奏になっています。
祐生君は本業のお医者さんが忙しいのか、最近音楽活動をしていないようですが、とても優れた逸材です。活躍を切に望みます。-by 福田


3.Mission Complete (Toshiki Nunokawa)

僕は曲のタイトルを考えたりするのが昔から好きで、自分のタイトルには、大自然もの、SFもの、動物もの(笑)など多々あるのだが、あまりストレートにタイトルをつけるのが嫌い。 いつもどこかでひねた感じにしていた。でもこれは直球ストレート。いま、あらゆるミッションがコンプリートされることを切に願っているのだ!
ファンクジャズ的な気分の曲でバンドでやれば楽なところを、これも敢えてデュオで。福田氏の「最高に気持ちいい音符のゆらぎ」をいかに的確に捉えるか、それがこの曲をデュオでやるときのミッションであった。-by 布川


4.Thanks (Shigeo Fukuda)

ある日サックスの藤陵雅裕くんが、この曲をもって来ました。軽くリハーサルした後、僕が「これ誰の曲?」とたずねると、「えっ、何言ってんの、福ちゃんの曲でしょう!」
20代の頃、キースのヨーロピアン・カルテットをイメージして書いた曲ですが、藤陵くんが持っていてくれなければ、この世から消えていた名曲です(笑)。フジありがとう!-福田


5.和音の記憶 -Paradoxical Waltz- (Toshiki Nunokawa)

子供の頃聴いた美しい音楽の記憶、それを僕の脳内に探ってみると…。
これはいままで書いたことのない類いの曲だと思う。これができたとき、自分の新たなサウンドの可能性を探りあてた達成感があった。美しさと優しいシンプルなメロディー。でもそこには毒と妖しさがあるような、キューブリックの映像のような。そんなパラドキシカルな怖い子供のワルツです。-by 布川


6. Childhood’s Dream (Shigeo Fukuda)

前橋生まれの高崎育ち、生粋の上州っ子である僕の、群馬へのオマージュ。
TRIO’の3枚目のアルバム「Come Rain or Come Shine」にも入っていますが、ドラムの市原康さんによるこの曲の解説が秀逸~出来過ぎ(笑)。
今回のアルバムが前橋録音だということ、我々2人のコンセプトが夢見る子供の心を持ったオジサンの心意気、ということから、この曲を録音し、アルバム・タイトルにもなってしまいました。-by 福田


7.How Deep Is The Ocean (Irving Berlin)

アービング・バーリンの有名なスタンダード。布川くんと去年初めてデュオで小ツアーをやった時、ふと僕がこの曲を弾き始めたのですが、それ以来デュオをやる度にプレイしてきたので、今回ごく自然にアルバムに入れることになりました。
僕ら2人のスタンダードジャズ解釈~演奏スタイルがナチュラルに出ているテイクだと思います。-by 福田


8. Chaturanga (Toshiki Nunokawa)

将棋が好きだ。って全然打てるわけじゃないが…。棋士の思考宇宙は物理学者とかにも通ずる超越的な世界。あんなこと考えてたら、問題だらけの様々な社会問題が全部瑣末でどーでもよく思えてしまうんじゃないか(笑)って素人は考えちゃう。
チャトランガとは将棋の起源の一つと言われるインドの古代将棋のこと。ジャズマンで超越的宇宙的思考の人と言えば何と言ってもウェインショーター。大好きな彼のサウンドへのオマージュでもある。
こういうミディアムスイングは、2人のオヤジ、いいですぞ(笑)。-by 布川


9. The Peacocks (Jimmy Rowles)

「いぶし銀」という形容がピッタリのピアニスト、ジミー・ロウルズの作品。
僕はトリオでよくこの曲をやっていますが、布川くんは初めてやる曲だったようです。僕の予想通り、布川くんが素晴らしプレイをしてくれ、デュオならではの絶妙なブレンドを醸し出せたのでは、と自負しております。-by 福田


10.Wrap Your Troubles In Dreams (Ted Koehler/Harry Barris/Billy Moll)

僕はモダンジャズ以前の、古いスタイルのジャズ(小粋でスケベな)が時々やりたくなるのですが、アルバムの最後に布川くんと遊んでみました。この曲のタイトルも大好きですが、本アルバムのタイトルとも韻を踏んでいます(笑)。-by 福田

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