BLOG

Old Boys’ Dreamsのレコ発インタビュー

9月に発売になる、布川俊樹(g)とのNewアルバム「Old Boys’ Dreams」 について、レコーディングメンバーのみなさんを交えてお話を伺いました。(2017.08.15 Body&Soulにて)

—そもそもこのDuoユニットを結成したいきさつを伺えますか?(福田) 2010年の夏に二人でツアーをしたんだけど、それで良かったから録音してみようか、みたいなことになって。 元々マルタバンドで長く一緒にやってたんだけど、僕がバンドを離れてからしばらくやってなくて、久々に一緒にやろうかみたいになったんだよね。(布川) それで次の年に録音したDuoアルバムが、前作「Childhood’s Dream」。(福田) それから6年経って、ツアーも何度か一緒にまわったり、他のミュージシャンのアルバムとかライブのサポートも随分してきたから、そろそろ次回作をということで。録ったときは、どういう形で発売するのかまだ決めてなかったんだけど、最終的に自主レーベルでということになってね。—自主レーベルだと、今までとどんなところが違うのでしょうか?(福田) とにかく事務処理的なところが煩雑というか、大変ですよ。2人とも初めての経験で、事務的なことは手分けしてやっている感じで。ジャスラックの申請とか、ISRCコード取ったりね。今まではレコード会社にみんなやってもらってたから…。(布川) デザインの細かいこととかもぜんぜんわからないから、ジャケットのデザイナーさんとのやり取りもいちいち専門用語がわからなかったりしてね。メールの内容の意味がわからないんですけど?…みたいな(笑)。 でも、おかげさまでいいのができましたよ。ジャケットデザイン気に入ってるの。

アルバムジャケット

—前作は全編Duoでしたが、本作はバンドも入っていますね?(福田) Duoが4曲とバンドが5曲ですね。(布川) ライナーにも書いたけど、このアルバムを作ろうって話が出たときに、福田氏がウェザーリポート聴いて、フュージョンやろうって言い出してさ(笑)。 ちょっとビックリしたけど、それだったら半分くらいはDuoじゃなくてバンドがいいなと思って、福田重男トリオでやってるあの2人(コモブチキイチロウ&奥平真吾)がカッコイイから一緒にやりたいなと。—布さんはコモブチ&奥平のお二人と共演なさったことは?(布川) それぞれ別々にはあると思うけど、このユニットは初めて。レコーディングの数日前に横浜のジャズイズでライブやったときが最初でした。—事前にリハーサルもなかったんですね?(布川) ライブ当日の開演前に合わせたのが最初でしたよ。—今回新曲が多いですが、譜面や音源を事前に渡してあったのですか?(福田) 僕の曲は、福田重男トリオのときに何度かやったものもあったけど、布ちゃんの曲はジャズイズの日が最初だったんじゃない?—そういえば、ジャズイズのリハでは、皆さん熱心に譜面に書き込みしたりなさってましたね。

Fukuda
Okudaira

 photo by Chieko Ishida(コモブチ) レコーディングでは、当日ぶっつけでその場でってパターン多いんですよ。 リズムセクションなんかは、譜面にメロディーが書いてない場合もあって、「いったい何の曲なの?」みたいなものを渡されて録音ということもあります(笑)。事前にライブで一回やれただけでも、だいぶ違いましたね。—レコーディングはどのような流れで?(福田) 前作も録音した、前橋の夢スタジオで2日間で録りました。まず布ちゃんとDuoの曲を2曲ほど録って、そうこうしているうちにリズムセクションの2人がやってきたので、バンドの曲を2曲かな?曲が結構難しかったよね。1日目はそこでタイムアップだったもんね。(布川) バンドの曲は難しい曲から先にやっつけちゃおうって事でね、”Swingin’ In Green Heaven”と、”Old Boys’ Dreams” と。メンバーの意見を取り入れて、曲の構成なんかずいぶん変えたんですよ。だいぶすっきりしましたね。 “Old Boys’~”は真吾君がなんだかハマっちゃってたけど、あれってどうして?

Bass&Drum

(奥平) いや~、木を見て森を見ずって言うんですかね、ディテールが気になっちゃって、何度もやり直したんですけど…。(コモブチ) 僕も比較的そんな状態になってましたね、あの曲は。レコーディング終わってから、ジャズイズの日の演奏動画見て、なぁんだそういう全体像かぁなんて再発見したりして。

Drum&Bass

(奥平) ところが今日のライブで演ってみたら、意外とスルッとできちゃったの(笑)(布川) レコーディングの時って、結構そういう事あるよね。ダメだと思ってプレイバック聴いたら案外ダメじゃなかったり。(福田) 逆にライブレコーディングだと一発で結構イケてるのに、スタジオだとついやり直しちゃうって事もない?あれは、何でなんだろう?(笑)(布川) スタジオの場合だと、バランスとかも考えたりするからね。僕は真吾君のドラミングにずいぶん触発されたよ。 あのビート出されちゃうと自分もいい加減な音符弾けないなって思っちゃう。(奥平) そう言ってもらえると嬉しいですけど。今日サンプルもらったから、帰ってから聴くのちょっと怖いような気もする(笑)

Playback

(コモブチ) 僕タイトルチューン好きなんですよ。(奥平) えぇ~!あれ好きなのぉ~(驚)!難しいよ。(コモブチ) 難しいんだけど、インパクトあるし、かっこいいよね。(奥平) 確かにやり甲斐あるよね。(コモブチ) そう、やり甲斐ある。いまだに憶えきれてなくって、ちょっとあやしくなっちゃうときがあるけど(笑)(奥平) 僕も、あの曲はもっと良くなるんじゃないかと、いまだに試行錯誤中。—ところで、今回は泊りがけでレコーディングだったようですね?(福田) 夢スタジオは、レコーディングスタジオの隣に、簡単な宿泊用の部屋があるんで、今回は1日目夜10時くらいまで録音して、そのままみんなでスタジオに泊り込んで翌日また続きを録ったんですよ。(コモブチ) なんか贅沢に時間を使えるレコーディングでしたね。普通スタジオって時間がタイトなので、少しくらい納得いかなくてもどんどん録り進めて行くんですよ。あんなふうに作り込めることって滅多にないです。(福田) 1枚目を録ったときも同じスタジオだったんだけど、だんだんピアノも鳴るようになってきてるし、僕は時々使わせてもらってるんです。(コモブチ) あのカジュアルな雰囲気もまた良いですよね。夜はメンバー同士色々話もできたし。(布川) 酔っ払っててほとんど何話したか覚えてないけどね(笑)

Dinner

(福田) 2日目は、朝から残りのバンドの曲を録って、夕方2人が東京に帰ってからDuoの曲を2曲。(布川) Duoは良い感じでリラックスして録れたよね!

Mission Complete

親密な雰囲気で、納得いくまで作りこんだ、新譜 “Old Boys’ Dreams”。トップミュージシャンの「本気」を感じさせる気迫の音と、ベテランならではの力の抜けたしなやかさが共存する、まさに夢の名盤が誕生しました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事一覧

PAGE TOP